スズメバチというと、人をすぐに襲ってきたり、致死性もある毒針で攻撃をすることなど、とても怖い存在として認識されています。しかし、スズメバチは怖いだけではなく、様々な魅力を持っています。
では、そのスズメバチの持つ魅力について、紹介していきましょう。
目次一覧
スズメバチの生態について
幼虫を食べることがある
スズメバチの生態として、特筆すべきなのはその餌についてです。スズメバチは肉食ですので、他の昆虫を食べるとされていますが、成虫の餌については特殊です。というのも、自らの幼虫が出す唾液を養分とするからです。
しかし、幼虫が出す唾液に養分が含まれるのは、幼虫がある程度成長してからになります。そのため、養分が少なくなってきた時には、臨時の食事として幼虫そのものを食べるということもあります。
いざという時には自分の子孫にも手をかけて、自らの命を継続させる。このような無情さは、さすがスズメバチと言ったところでしょう。
働き蜂は2ヶ月サイクルの寿命で働く
スズメバチの巣の中は、非常にしっかりとした集団生活が形成されています。その内訳は、女王蜂を中心として、生殖を行う少数の雄バチ、そして残りの大多数を締める働き蜂たちです。
女王蜂については、ローヤルゼリーの効果もあり、1年以上の寿命を獲得しています。ですが、外を飛び回っている働き蜂については、2ヶ月の寿命しかありません。スズメバチは春から秋にかけての数ヶ月間を生命活動に費やしますから、働き蜂は2ヶ月の寿命サイクルを上手く次の命に繋いで、働いています。
一生を太く短く生きるという点も、スズメバチの魅力の一つかもしれません。
スズメバチの毒について
毒のカクテルと呼ばれている
スズメバチの毒は、とても強力なことで知られています。この強力な力を持つ毒の秘密の一つとして挙げられるのが、様々な毒を含んでいることです。このことから、スズメバチの毒は通称「毒のカクテル」という名称で呼ばれています。
スズメバチの毒の中に含まれているのは、人体の中にも存在している神経伝達物質がほとんどです。これらが直接血管に入ることで、人体に大きな影響を及ぼします。そして含まれている成分が多い分、毒によって引き起こされる症状は多岐で重いものとなります。
このように、スズメバチは他のハチに比べても、かなり強い毒を持っていることが理解できたのではないでしょうか。
詳しくはこちらの記事へ→さまざまなアシナガバチの種類
アレルギー反応を引き起こす
スズメバチの毒によって人体に異常をきたしてしまうのは、その毒によって体がアレルギー反応を引き起こしてしまうからです。
アレルギー反応としては、発疹や痒みが出るという軽度な症状から始まり、呼吸困難になったり低血圧になったり、その結果意識障害を引き起こすということなどが挙げられます。また、これらのアレルギー症状によって、ショック死をする可能性もあります。
これらの症状からも、スズメバチの毒は相当な力強さがあることが分かります。
スズメバチの巣の特徴
球体状をしているものが多い
スズメバチの巣は、特殊な形状をしています。その形状としては、球体状の巣であるのが特徴的でしょう。すべてのスズメバチの巣が球体状をしているわけではありませんが、代表的なスズメバチの多くは、球体の巣を作ります。
球体の巣の中身は、一般的なハチの巣と同じようにハニカム構造になっています。そのため、強度や柔軟性があり、簡単に壊れることはありません。
このような球状の巣を見かけたとすれば、ほとんどがスズメバチの巣であると判断できます。そのため、巣を見かけた場合は、すぐに避難をするか駆除をしておくことが大切です。
様々な場所に巣を作る
スズメバチの巣は、その種類によって作られる場所が様々です。
一般的に認識されているスズメバチの巣の場所としては、家の軒下です。このような場所は、特定のスズメバチにとって格好の巣作りの場所になります。また、他の種であれば、家の軒下や屋根裏に巣を作ったり、壁の中に巣を作ったりすることがあります。
また、山に住むタイプのスズメバチの中には、土の中や木の中に巣を作る者も居ます。このように、スズメバチは種類によって、多種多様な巣作りの場所を確保しているのです。
まとめ
スズメバチは、今回ご紹介したような様々な魅力があります。この魅力を知れば、怖いというイメージが少し拭い去れたのではないでしょうか。
凶暴ではありますが、その凶暴性の裏にある顔もまた、スズメバチの魅力の一つです。そのため、怖いという感覚だけではなく、色々な部分からスズメバチの魅力について見ていただければと思います。