ミツバチの巣と生態

ミツバチの巣

ミツバチの巣やその生態には、巧妙に計算された構造や、意外な働きがあります。
そんな巣や生態について、どのような特徴があるのかについて、ご紹介していきましょう。

六角形巣・ハニカム構造の謎

柔軟性に富んだ強度の巣

ミツバチの巣は、ご存知の通り小さな六角形の穴が重なり合ってできています。これはとても不思議な形状ですよね。この形状は、ハチの巣を意味するハニカムという言葉を取って、ハニカム構造と呼ばれています。

ハニカム構造は、とても素晴らしい構造です。その理由として、柔軟性に富んだ強度であることが挙げられます。なぜならば、ハニカムの六角形は、衝撃を六方向へ分散してくれるからです。ですので、三角形や四角形に比べて、柔軟性が高いことが挙げられます。

また、力が適切に分散されることから、三角形には及びませんが強度の面でも比較的高いことが証明できます。そのため、柔軟性に富んだ強度の高い巣が、ハニカム構造によって成立しています。

スペースの無駄を作らない巣

ミツバチは限られた範囲内に巣を作り、そしてその巣の中にできるだけ多くの蜜を溜め込むという使命があります。その使命を全うするためには、巣に余計なスペースがあってはいけません。その点でも、ハニカム構造は役立っています。

平面を構成することができる図形は、実はこの世の中で三つだけです。それは三角形、四角形、そして六角形です。ですので、無駄なスペースを削るためには、これらのいずれかの形で巣を構成する必要があります。その他の図形では、隙間が空いてしまい、スペースの無駄になってしまうのです。

先述した強度の面、そしてスペースを埋めるような巣となると、必然的に六角形のハニカム構造になります。これを自然と理解しているミツバチは、素晴らしいとしか言いようがないですね。

巣を守るために人を刺すこともある

ミツバチも戦うことがある

ミツバチは温和なハチの代表格として知られています。ですので、人に対しては攻撃をしかけてこないと思っている方も多いでしょう。しかし、実はミツバチも戦うことがあります。それは、巣を守るという使命を全うするためです。

ただ、巣を守るという理由が無ければ、人を刺そうとすることはまずありません。ですので、ミツバチに刺されることを防ぐためには、無闇に巣に近づこうとしないことです。

意図的、もしくは不意に巣に近づいてしまった時は、ミツバチと言えども襲ってくるリスクがあります。

詳しくはこちらの記事へ→奥が深い:ミツバチの社会性・特性

ですので、ミツバチと思って油断せずに、その点には注意をしておきましょう。

 

一度刺すと命を落とすことが多い

スズメバチなどは、好戦的な性格ですので、ミツバチよりも簡単に人を襲うことがあります。これはスズメバチの針は何度でも刺すことができるからでしょう。それと対照的に、ミツバチの場合は一度針を刺してしまうと、何度も刺すことはできません。

何度も刺すことができない理由は、針の先に返しが付いており、抜けなくなることが一つ目の理由です。そしてもう一つの理由として、無理に抜こうとすると針と直結している内臓に損傷を来すからです。

これらの理由から、ミツバチは針を刺すと、命を落とす可能性が高くなります。そのため、ミツバチが刺そうとする時は、よほどミツバチを怒らせた時だと言えます。

知られざるミツバチの秘密について

女王蜂と働き蜂は姉妹の関係

ミツバチの世界は、女王蜂を頂点としたトップダウンで形成されています。そのため、女王蜂とそれ以下の働き蜂には、遺伝的な大きな差があるように見えてしまいます。ですが、実際のところ、女王蜂と働き蜂は姉妹の関係なのです。

女王蜂になるか働き蜂になるかは、ローヤルゼリーを継続して食べるかどうかという違いだけです。そのため、女王蜂と働き蜂の間には、遺伝的な有意差は全くありません。

ちなみに、働き蜂はすべてメスですので、女王蜂とは兄弟ではなく姉妹という関係性になるのです。

スズメバチを退治することがある

ミツバチの天敵の一つとして知られているのが、同じハチの仲間であるスズメバチです。そして、スズメバチはとても体格が大きく、凶暴ですので、多くのケースではミツバチはやられてしまいます。

しかし、ミツバチもただやられてばかりではありません。ミツバチであっても、スズメバチを退治することがあるのです。
スズメバチに対して、ミツバチが集団でかかり、ミツバチの団子のような状態にします。そして纏まったミツバチたちが体温を上昇させ、スズメバチが死ぬほどの温度にして退治します。

まとめ

何気なく見かけるミツバチの巣や生態には、これだけの魅力や秘密が隠されています。
この他にも多くの魅力や秘密があります。興味があれば、探求してみるのも良いでしょう。